日々の歯磨きをしっかり行う事でむし歯は予防出来ます。日頃からむし歯にならない生活習慣を心がけ予防歯科取り組みましょう。
むし歯の予防
▶むし歯の3大要因▶ドクターのアドバイス
▶ミュータンス菌
▶再石灰化と二次う蝕
▶唾液のはたらき
むし歯の3大要因
むし歯は、口のなかに住んでいる細菌が作り出す酸により 歯が溶ける病気です。
歯科学的にはう蝕(しょく)と呼んでいます。以前からむし歯は、むし歯菌・歯の質・糖分の 3 大要因が重なった時に罹ってしまうとされていました。
しかし、この 3 大要因の影響度は個人差が大きくそれが揃っても必ずしもむし歯になる訳ではありません。
現在はこの 3 大要因に加えて唾液の性状や分泌量・飲食回数・糖分とむし歯菌が歯に付いている時間など、多くの要 因がリスクになると考えられています。
ドクターのアドバイス
患者様は歯が痛くなるなど何らかのトラブルが起こってから歯科医院に来ます。歯科医院では症状に応じて治療を行うのですが、状態によっては歯を抜く(抜歯)事もあります。 痛くなる前の早い段階で歯科医院を訪れる事で抜歯は避けられるかも知れません。
なるべくなら治療を行わず、予防に重点を置き、お口の中の健康を保つ事が大切です。
歯科治療を受けた後からも予防に重点を置く事をお勧め致します。治療後、歯が痛く無くても2~3ヶ月に1回程度のメンテナンスを行い、普段から予防に心がけて頂きますと、歯は悪くならず新たな治療を行う事も無くなります。
ミュータンス菌
むし歯菌の代表はミュータンス菌です。
ミュータンス菌は生まれたての赤ちゃんの口の中には存在していないものですしかし、乳歯が生え揃って来る1歳半~2歳半頃に感染します。多くの場合ご両親が口移しで食べものを与えたり、同じ食器や箸、スプーンを 使ったりする事が感染の原因です。
ミュータンス菌が歯に付着し歯垢(プラーク)を作り、食べ物の中に含まれる糖質をエサにして、歯垢内部で酸を作り歯の表面のカルシウムやリンを溶かし、むし歯を作っ てしまうのです。このカルシウム等を溶かす作用を脱灰(だっかい)と呼んでいます。
再石灰化と二次う蝕
酸の原料は飲食物中の糖分で、食べたり飲んだりするのを止めれば、酸も作られません。酸性になった口の中も唾液の働きで中和されます。唾液はリン酸やカルシウムを含んでいますので、脱灰された歯を修復する働きがあり、この作用を再石灰化 と呼んでいます。
私たちのお口の中では飲食の度に脱灰と再石灰化が繰り返されて、脱灰が起こっても、再石灰化されていれば、むし歯にはならないのです。ただ、いつも糖分を口にしている、いわゆる、だらだら 食いをしていると、唾液による中和や再石灰化が間に合わず、脱灰が続きその部分がむし歯に侵されてしまいます。
歯垢が出来た直後は歯ブラシで擦れば取れますが、歯磨きが不十分で磨き残しが有ると次第に歯垢は 厚みを増し、エナメル質の周囲でバイオフィルムと呼ばれる膜を作ります。唾液はバイオフィルムに邪魔をされてエナメル質に触れる事が出来ない為再石灰化が起こりません。歯垢内で作られた酸は拡散しないので高い濃度でエナメル質を侵し続け益々増殖します。
むし歯になり易い歯は一般的には奥歯で、噛み合わせの溝の部分・歯と歯茎との境目・隣り合う歯と 歯の間の面などです。さらに、治療した歯が有ると詰め物と歯の隙間にミュータンス菌が入り込み、再びむし歯になる事があります。これを二次う蝕と呼んでいます。
唾液の働き
私たちは生きて行く為に、お口から飲食を行います。食べ物をよく噛むとその刺激が脳に伝わり、唾液が分泌されます。唾液は「消化を助ける」他に口内環境を守る重要な働きを持っています。
1.溶解作用・・・味物質を溶解して味覚を促進させる2.洗浄作用・・・食べ物のカスを洗い流す
3.抗菌作用・・・抗菌作用が有り病原微生物に抵抗する
4.pH緩衝作用・ pH を一定に保つ、細菌の繁殖を抑える
5.保護作用・・・歯の表面に皮膜を作り虫歯を防ぐ
6.円滑作用・・・発音や会話をスムーズにする