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なぜよく噛んで食べないといけないのか

豊中市の皆様、こんにちは。森山歯科医院です。

皆さんは「咀嚼」という言葉を知っていますか?森山歯科医院の院長森山博史
「そしゃく」と読み、食事の際、食べ物を噛むことをいいます。小さいころから「よく噛んで食べなさい」とご両親からしつけられて成長しますが、「よく噛む」=「咀嚼の回数を多くする」ということはとても大切な事です。

咀嚼回数どんどん減っています
人類の咀嚼回数は有史以来、急激に低下しており、現代人の回数は約600回ほどで、実際の食事時間は10分程度と言われています。
しかし戦前では咀嚼回数約1,400回、食事時間も20分程度もありました。まだ100年も経過していませんがこれだけ変化しています。
ちなみに研究では昔の鎌倉時代で約2,600回・食事時間は約30分、大昔の弥生時代では咀嚼回数は約4,000回・食事時間は約1時間もあったのではといわれています。

咀嚼回数がここまで低下したのはなぜでしょうか。
現代では食事に時間をかけない・かけれない、そして軟らかく食べやすいものが好まれるようになりました。ハンバーグやパン、スパゲティー、ラーメン。時間がない人が手軽に食べられるものは軟らかいものがほとんどです。
昔、弥生時代などは穀物の米、あわ、ひえや木の実を中心とした、どんぐり、くるみなどを食べていました。それはどれも硬く多くの回数噛まなければ飲み込めないものといわれています。

具体的になぜ噛まないといけないのか?
遺跡などから発掘されて判明している弥生時代の人の顎の骨の状態や大きさから比較し、現代人は退化し小さくなっていることがわかっています。そして現代人でも幼少期からあまり噛まなくてもいい軟かいものばかり食べていると、顎の骨がきちんと発達しないのです。

幼少期より適切に咀嚼することで顎の骨の発達・生育を正常にし、噛み砕かれた食物は胃腸において消化吸収を助けてくれます。よく噛むことを習慣づけて成長するとゆくゆくは不正咬合や顎関節症などの防止にもつながっていきます。
それ以外に適切な咀嚼は唾液の分泌量増加に貢献しています。唾液には、抗菌・殺菌作用をはじめ、歯の再石灰化、骨・歯の成長に必要なホルモン、唾液中のPHを正常に保つ(中性に保つ)役割など多くの働きがあり、人間が成長するうえで欠かせない役目があるのです。

                   
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