前回は「健康寿命」について、ご案内いたしました。今回は「歯の健康と健康寿命の関係」についてご案内いたします。
歯の健康と健康寿命の関係
下記のように各地ので行われた様々な調査実例があります。
愛知県のある地域では65歳以上の住民を3~4年間追跡した研究でわかったことは
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- A、歯が多く残っている人、義歯等を入れている人
- B、歯が少ない人また義歯を入れていない人
A,Bの比較においてBの認知症の発症リスクがAに比べ最大1.9倍になることが判明、同様に転倒するリスクが2.5倍になることも判明しています。つまり要介護状態になる危険性も歯が多い人ほど少ないこともわかってきています。
兵庫県の報告では、自家用車に乗っている割合や携帯電話を保有している割合は歯の多い人の方が高いという結果も出されています。つまり健康寿命が長く、元気な高齢者でいるには、できるだけ自分の歯を保有することがわかっています。
以上のように、歯の多い人ほどまたはすでに自分の歯を喪失しても入れ歯等で、口腔機能を回復できている高齢者は認知症になりにくく、転倒も少ないという疫学結果がわかってきています。歯が多く残っていることや、すでに喪失していても入れ歯等で口腔機能を維持することは要介護になりやすい疾患を予防し、健康寿命を延伸する可能性があると思われます。
次回はなぜ口腔ケアを行うことにより健康寿命の延伸につながるかをご案内します。