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エナメル質形成不全について

豊中市の皆様、こんにちは。森山歯科医院です。豊中市服部天神の歯科・歯医 森山歯科医院:院長と副院長の写真
前回は小児歯科情報として、「乳歯の虫歯」治療で保護者様が不安に感じる抜髄のことに触れました。今回は「乳歯の虫歯」の治療を怠ってしまった際に、発症することがある「エナメル質形成不全」についてご案内いたします。

エナメル質形成不全とは、歯の表面にあるエナメル質が正常に形成されていないという病気です。
歯はセメント質や象牙質、エナメル質など様々な材質から成り立っており、エナメル質は歯の表面を形成している箇所になります。
このエナメル質は人体を形成している各組織の中でも1番硬い材質でありますが、このエナメル質が上手に作られなかった歯(=エナメル質形成不全)は虫歯菌が入り込みやすい環境となり、虫歯の進行状況も一気に中程度のÇ2の状態になってしまいます。変色したターナーの歯になりやすくなります。

原因と症状
原因については様々な要因があり、遺伝的なものから、外部からの衝撃(外傷)などございますが、乳歯の虫歯治療を怠ることによって発症することもあります。
虫歯の進行により、歯根の先に細菌が感染してしまい炎症をおこすことにより「根尖性歯周炎」が発症します。乳歯の歯根の直下には永久歯が控えており、この炎症が永久歯に影響して発育不全をおこしてしまうのです。このような歯は「ターナーの歯」と呼ばれています。

症状として、軽度なものでしたら、生えてきたばかりの永久歯が濃い白色や茶・黄色などの変色が見られます。重度なものとなると変色以外にも歯がデコボコしていたり、穴が空いている、象牙質が露出しているなどの歯が変形していることが特徴です。

先述しましたが、エナメル質形成不全はエナメル質という一番外側にある一番硬い部分が壊れている状態のため、虫歯菌が侵入しやすく進行が早くなります。進行していくとそれだけ深刻な虫歯になってしまいます。エナメル質の代わりとなる新たなバリアを作り、歯の表面を強くしないといけません。

軽度な症状であれば、定期的にフッ素塗布を行い歯の質を強化し、溶けにくい強い歯を作っていきます。健康な歯でも虫歯の予防にもなるので、フッ素塗布をしましょう。

重度な症状であれば、プラスチックの樹脂などで補強や修復を行います。重度にもなると穴が開いていたり、デコボコになっていることがほとんどで歯科用レジンを用い、詰め物で補強・修復をして整形します。また見た目や色が気になる場合は歯を削って、表面や全体をセラミックで覆うこともあります。

変色についての対処の場合は、ホワイトニングや歯のマニュキュアでの対処も可能ですが、安易に市販のものなどで行わず、医師に必ず相談してください。

「エナメル質形成不全」は遺伝でない限りは、原因を理解し防ぐことができる症例です。乳歯時の虫歯については安易に生え変わるからと放置せず、必ず治療を受けさせてください。

                   
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